新しい熱処理炉の購入時に考慮すべき5つの事項
2020年8月9日
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新しい炉の購入は、刺激的ですが困難な場合もあります。新しい炉によって、以前の設備では遂行不能だった業務が実現できます。しかし、単に多くの生産量を増大させるために新しい炉の導入を検討しているのなら、その前に古い炉で十分な生産増を達成できるかどうかを検討すべきです。ポンプダウンを高速化してサイクル時間を短縮することで、既存の10台の炉からの生産量を10%向上させることができれば、新規に炉を追加して得られるのと同じ生産量を生み出すことができます。
炉の新規購入は不要
世界各地の熱処理会社で、新規に炉が設置されるたびに電力負荷が生じ、課題になり始めています。需要のピーク時要に電力を蓄えるなどの戦略は、一部の熱処理者が生き延びるためにどれだけの時間を費やしているのかを示す新たな例です。このような対策は効果があるのかもしれませんが、ほとんどの熱処理施設の知識分野から外れており、最後の手段として以外は考慮すべきではありません。
これに代わるソリューションは、既存の炉の消費電力削減であり、その実現のための優れた方法は、より電力消費効率の高い拡散ポンプと粗引きポンプを使用することです。スマート拡散ポンプと粗引きポンプなら、不使用時にスタンバイ状態にすることもできます。また、定常処理中の消費電力を30~50%削減します。真空システムをアップグレードするだけで、炉当たり10 KWの節約が可能なのです。新しい炉は、電力消費量が大きいため、炉を追加する前に慎重に検討すべきです。一方、小さな消費電力でより多くの生産量を生み出すこの方法は、win-winのソリューションです。
炉のフットプリント
新しい炉の導入により、古い炉の撤去か、生産設備の面積を拡張する必要が生じます。拡張するためのスペースが十分にある場合、これは問題ではありませんが、スペースが限られているなかで生産量の増加が必要な場合は、古い炉の解体費用が収益にかなりの間影響を及ぼす可能性があります。これが、炉の新規購入の前に現在の炉のアップグレードを試みるべきもう一つの理由です。
このブログシリーズのパート2から業務の合理化に関するヒントを得て、取引額の大きいお客様を熱処理事業に誘導しましょう。
不活性ガス
設備で使用するアルゴンと窒素は高価です。こうしたガスの生成には極めて高い圧力と低温が必要なため、大量の電力が必要です。こうしたガスは、時間の経過とともに、電力価格の上昇につれてさらに高価になります。炉を追加すれば、必要電力が増大するだけでなく、不活性ガスの要求量も大きくなります。しかし、既存の設備の生産量を増やすことができれば、不活性ガスのコストを安定させ、バッチあたりのコストを削減できます。
プロセスと一般的なメンテナンス
当社が訪問した熱処理施設は例外なく人員不足でした。優秀なメンテナンス作業者と運転作業者の確保は、かつてなく困難になっています。長期間使用した旧式の真空設備は高コストで時間がかかり、メンテナンスには一定レベルの熟練が必要です。これらの真空システムをアップグレードすれば、メンテナンスの負担が大幅に軽減され、作業者が施設内の既存の設備の操作と最適化に手中できるようになります。最新の真空装置により、メンテナンスンの必要性が根本的に低減され、工場全体がより低騒音でクリーンな状態になり、最高の作業者を惹きつけて働き続けるようにすることができます。
さらに予算上の制約がある中で、アップグレードを行うことが容易ではないことも事実です。下のボタンをクリックして、ライボルトの担当チームにご連絡ください。