拡散ポンプのスムーズな動作のための5つのヒント
2020年5月20日
3分間の読み物
油拡散ポンプは、強力な真空範囲と高速の排気速度を特徴とし、多数の産業および科学アプリケーションに適した信頼性の高い真空ポンプとして普及しています。
一部の真空ポンプとは異なり、拡散ポンプには回転部品がなく、機械的な摩耗や故障の問題を心配する必要はありません。さらに、メンテナンスの必要性が最小限であるのも拡散ポンプのよく知られた長所です。
日常の運転における適切な使用と逆流などの問題を回避する対策を講じることで、ダウンタイムを短縮し、拡散ポンプの寿命をさらに延ばすことができます。
逆流とは何でしょうか?
逆流は、オイルがポンプの底部まで流れ落ちず、逆に真空チャンバーに引き戻されている場合に発生します。逆流したオイルは、熱と放電に反応して、チャンバーの内壁や他のポンプ部品を汚染する堆積物を生成することがあります。このような汚染により、望ましくないダウンタイムを発生させ、最終的には部品の交換が必要になることがあります。
拡散ポンプのスムーズな動作を妨げる逆流などの問題を回避するには、次の5つの簡単な運用ヒントに従ってください。
1. 給水ラインの流量と温度を適正な状態に維持
水温が高すぎると冷却コイルによるチャンバー内壁の冷却量が不十分になり、気化したポンプオイルが凝縮できなくなります。また、水の流量が少なかったり詰まりがあったりすると、コイルに冷水が補充されず、チャンバーの壁に接触してもさらに加熱するだけになり、冷却システムの働きを阻害します。
いずれの場合も、真空チャンバー内の過熱状態により油蒸気が蓄積し、結果として逆流が発生するおそれがあります。給水ラインの温度と流量は必ずポンプの取扱説明書の推奨範囲内に保ってください。
2. 真空チャンバーが気密であることを確認
真空チャンバーにリークがあると、ポンプに大気中の酸素が流入します。加熱されたオイルは、酸素にさらされると燃焼し、最終的に交換が必要になります。
ポンプオイルを保護し、ポンプの運転停止を回避するため、真空チャンバーのリークを定期的に点検してください。
関連:リソースページ「リーク検知の基礎」で、リークを防ぐ方法を確認してください。下のボタンをクリックして、詳細をご覧ください。
3. ポンプに加熱システムが内蔵されていることを確認
一部の拡散ポンプは、外部の加熱コンポーネントと組み合わせる必要があります。この種の構成の場合、外部ヒーター制御がポンプ内の状態に合わせて調整できないため、ポンプが過熱することがあります。
ポンプの過熱を防止するため、内蔵加熱システムによりヒーター温度を直接制御するライボルトのDIPやDIJなどのモデルを使用してください。ライボルトのDIPやDIJなどの油拡散真空ポンプの詳細は、当社の製品ページでご覧いただけます。
4. 補助ポンプのバルブを高圧で開かないこと
補助ポンプのバルブを高圧で開いても、実際には排気性能は向上しません。逆に、圧力上昇により排気ラインからオイルが吹き飛ばされ、真空チャンバー内でオイルの霧化や逆流の問題が発生することがあります。
拡散ポンプは、排気ポンプのバルブをポンプの取扱説明書の推奨圧力範囲内に保つことで最適に動作します。
5. 補助ポンプが生成する流量が適切であることを確認
補助ポンプの流量が不十分な場合、排気ラインに高圧が発生し、好ましくないオイルの霧化や逆流が真空チャンバー内に発生することがあります。お使いの補助ポンプの流量を適量に維持するためのガイドラインについては、ポンプの取扱説明書を参照してください。
拡散ポンプの性能をさらに引き出しましょう
適切な方法で手入れと操作を行うことで、油拡散ポンプの信頼性の高い優れた性能をこの先何年も享受できます。お使いの拡散ポンプを最高の状態に保つ方法について、さらにアドバイスが必要な場合は、下のボタンをクリックしてご連絡ください。ライボルトのチームが喜んでお手伝いいたします。
免責事項:上記はあくまでも参考用であり、取扱説明書を読むことに代わるものではありません。必ず取扱説明書をお読みください。