ライボルトは、持続可能なビールの瓶詰めのための真空ソリューションを開発しています
オイルフリーバキュームは、コストを削減し、高い衛生レベルを保証します
従来のガラス製ビール瓶は、他のタイプの容器と比較して、生産者や消費者にとって数多くの利点があります。フレッシュな味わいがあり外部の汚染物質から保護されることに加えて、瓶のデザインによりブランドイメージを伝達し、飲物の楽しみに寄与します。この点を念頭に置けば、ドイツだけでも現在さまざまな醸造所から数十億本のガラス瓶が製造されているのは不思議なことではありません。
酸素の侵入による品質リスク
ビールは、特に酸素に対して敏感であるため、上記のような利点を保つために、ガラス瓶への充填時に特に技術的な配慮が必要です。充填工程で瓶に入る酸素が過剰になると、有害な化学反応が起こる可能性があります。その結果、味や色の品質や店頭保存期間の低下が生じます。残留酸素の量を制限するために、瓶詰め工程は、管理下の真空状態で行われます。
1時間60,000本のビール瓶詰めシステム
「最近まで、ビール瓶詰めには液体リング真空ポンプが標準的なソリューションでした」と、ライボルトのマーケットセクターマネージャー、ピエール・ ラントームは説明しています。「ただし、このタイプのポンプは、技術と経済の両面で欠点があります。水とエネルギーの消費量が多すぎるのに加えて、醸造者にとってはキャビテーション現象による廃水汚染やダウンタイムのリスクもあります」とも言います。しかし、こうした望ましくない影響は、現在では過去のものです。ライボルトは、持続可能な真空システムを開発しており、瓶のサイズに応じて、1時間あたり最大60,000本の瓶詰めラインをサポートしています。
設置が簡単
BBVS(ビール瓶詰め真空システム)は、従来の液体リングポンプ技術に代わるオールインワンの完成品引き渡し方式のソリューションとして提供されます。これには、自動運転式排出ベッセル付きセパレータタンクが含まれており、ガスフローを介してフィラーから持ち込まれる泡と液体を止めます。DRYVACドライスクリュー真空ポンプは、一定の深い真空レベルを提供し、PLCを備えた電気筐体キャビネットがシステム全体を制御します。この装置は、デジタルI/Oまたはフィールドバスを介してフィラーとインターフェイスするリモートコントロールとしても、押しボタンを介して操作するスタンドアロンシステムとしても使用できます。
水冷式DRYVAC:中心的存在
水冷式DRYVACモデルのDV 650 FP-r およびDV 800 FP-rは、完全なソリューションの中でも中心となる存在です。ライボルトは、過酷な産業工程向けに設計された実証済みのスクリュー真空ポンプを提供しています。主な機能の1つは、静音動作です。DV 650 FP-rは、到達圧力でわずか67 dB(A)のノイズレベルを達成しており、DV 800 FP-rでは70 dB(A)を達成しています。このようにノイズレベルが低いため、ポンプを瓶詰めシステムのすぐ近くに設置できます。また、DRYVACモデルは、熱をほとんど発生させず、放出もしないということも注目に値します。また、スクリュー真空ポンプの内部温度プロファイルは比較的低く、残留ビールの液滴とともに糖分が高温にさらされてキャラメル層が形成されるのを防止します。
CIP およびポンプ洗浄による100%清浄なシステム
CIP(Cleaning in Place)スプレーボールは、ステンレス鋼製セパレータの上端内部内にあり、ビールへの接触面全体(特にセパレータとドレンベッセル内)を清掃できます。清掃は、システムの電源をオフにしたり分解したりすることなく実施できます。また、ポンプ側の必要に応じて、洗浄メディア(熱湯など)を直接ポンプインレットに注入してフラッシングすることができます。洗浄能力は、オイル潤滑式真空ポンプとの対比で、ドライ真空ポンプの大きな利点の1つです。タンクの洗浄とポンプのフラッシングは、PLCが完全に制御しており、充填装置制御システムを介して手動または自動で開始できます。
最後に、DRYVAC FPは、ステンレス鋼製サイレンサを備えており、腐食保護コーティングが施されているため、洗浄環境に100%適しています。
消費電力と消費水量の低さ
DRYVACモデルは、設計だけでなく実用的な機能の点でも際立っています。作業環境では、DRYVACの実績十分なスクリュー設計により、信頼性の高い優れたポンプ性能、低い終圧、高いエネルギー効率を実現します。液体リングポンプよりも15~20%少ないエネルギーで同じ流量を同じ作動圧力で供給できます。また、冷却水の必要量は、新しい水を使用する場合の液体リングポンプと比較して80%も削減されます。これだけではありません。工程中で水が汚染される液体リングポンプと異なり、DRYVACの冷却回路は、完全分離式のため、ボトル出口シャワーやコンベアベルトの潤滑といった他の用途に水を再利用できます。サービス費用も妥当なもので、必要なのは年1回のギヤボックスオイル交換のみであり、完全なオーバーホール(ベアリング交換を含む)は約5年ごとに実施します(お客様の使用法によって異なります)。
瓶詰め工程の改善
DRYVACは、真空度が低く安定しているため、BBVSでの瓶詰め時の真空度が向上します。その結果、ビール瓶詰めの主なパフォーマンス指標であり、味と保存期間に影響を及ぼすTPO(総充填酸素量)が向上します。充填機械のパラメータを設定しなおせば、CO2消費量も減少する可能性があります。「瓶は、CO2で洗浄されるため、脱気工程で酸素の一部がすでに除去されています。この真空度の改善が結果的にCO2消費量削減につながるのです」と、BBVS製品マネージャーのスヴェン・ハンセスは説明しています。
「ライボルトビール瓶詰め真空システムにより、醸造業者は、操業コストを抑制し、瓶詰め工程の品質を大幅に向上させるだけでなく、エネルギー消費量とCO2排出量をともに削減できます。これは 、醸造業界の環境フットプリントを最小化するためのもう1つの好材料です」とも語っています。
ユーザーメリットの概要
- 節水:液体リングポンプと比較して、水消費量を最大80%削減します。
- 持続可能性:液体リングポンプと比較して、エネルギー消費量を最大20%削減します。
- 効率:ダウンタイムが減り、メンテナンスの必要性が低下します。
- 高性能:より深く安定した運転圧力により、製品の品質が向上します(TPOレベルの向上)。