ルーツポンプのメンテナンスおよび操作ガイドライン
一般的な操作手順、設置および試運転
ルーツポンプ内のクリアランスは、非常に小さいため、ルーツポンプは、正確に水平である必要があります。ポンプを取り付けるときは、ポンプに張力や歪みがかからないようにする必要があります。接続パイプが原因でポンプケーシングに歪みが生じないようにしてください。ポンプが受ける歪みは、ポンプの作動を危険にさらすことになります。
ルーツポンプは、内部圧縮なしの容積型ポンプです。これは通常、空気に直接圧縮することはできませんが、常に前段真空ポンプと組み合わせて使用することを意味します。ガス負荷が高いと、モーターに過剰な負荷がかかり、ポンプローター自体に温度の問題が発生します。
ライボルトは、様々な方法で過剰な負荷から保護される異なったタイプのルーツポンプを提供しています。従来のルーツポンプは、圧力スイッチで保護されていますが、周波数変換器またはバイパスラインで動作するポンプは、永続的に稼働できます。
従来のルーツポンプは、前段真空ポンプが真空容器をスイッチオン圧力まで排気した後でのみオンにできます。ポンプシステムには、許容圧力範囲内でルーツポンプをオンにするために適切に評価された圧力スイッチまたは圧力センサーが装備されている必要があります。
許容スイッチオン圧力PEは、前段真空ポンプに対するルーツポンプの減速比に依存し、許容圧力差Δpmaxを圧縮比で割り、値1を減じて計算されます。
ルーツポンプと前段真空ポンプを組み合わせて、沸点が低い液体などの揮発性の高い物質を移送する場合は、不可欠なバイパスラインとあらかじめ設定された圧力に反応するバルブを備えたルーツポンプを使用することをお勧めします。例：ルーツ真空ポンプRUVAC WHU/WSU/WAU
バイパスラインを備えたRUVAC-WHU/WAU/WSUシリーズからのルーツポンプは、通常、前段真空ポンプと一緒にオンにすることができます。バイパスは、これらのルーツポンプを過負荷から保護します。
オイル交換およびメンテナンス作業
クリーンな運転条件下では、ルーツポンプ内のオイルはベアリングおよびギアボックス内の自然な摩耗の結果としてのみ劣化します。ただし、慣らし運転中に摩耗によって発生した可能性のある金属粉を除去するために、最初のオイル交換は、約500時間の使用後に行うことをお勧めします。それ以外の場合は、3000時間運転ごとにオイルを交換するだけで十分です。粉塵を含むガスや他の汚染物質が存在するガスを抽出する場合は、より頻繁にオイルを交換する必要があります。当社の特別に調合されたLVO 100オイルの使用をお勧めします。
「汚れた」動作条件下では、ポンプチャンバー内に粉塵が堆積して「クラスト」が形成する可能性があります。これらの汚染物質は、ポンプチャンバーとローターに付着します。2本の接続パイプを取り外したら、システムを乾燥した圧縮空気で吹き出すか、または石油エーテル（ナフサ）などの適切な洗浄剤ですすぐことにより、それらを取り除くことができます。
その後、ルーツポンプ内のオイルを交換する必要があります。ローターは、清掃中に手で回すだけにしてください。モーターの作動中は高速であるため、付着物が表面から剥がれ落ち、ポンプを損傷する可能性があります。
洗浄で除去できない汚れは、ワイヤーブラシ、金属性たわし、またはスクレーパーを使用して機械的に除去できます。
重要な注意事項
残留物がポンプチャンバーに残らないようにしてください。清掃が完了したら、ローターを手でゆっくりと回して、ポンプの動作を確認し、回転に抵抗がないことを確認します。一般的に、ルーツポンプを分解する必要はありません。ただし、ひどい汚染物質の場合は、メーカーに依頼することをお勧めします。
業務上の障害が発生した場合の処置
1. ポンプの温度が高すぎる：
ポンプの最大動作温度は100℃～115℃です。ポンプが高温になる原因として考えられるものは次のとおりです。
- 過負荷：過剰な圧力比による過剰な圧縮熱。圧力値の調整と真空チャンバーの締まり具合を確認します。
- クリアランス不良：ローターとハウジング間の距離が汚れや機械的なひずみにより狭くなっています。
- ベアリングの汚れ：ベアリングの過度の摩擦
- オイルレベルが不適正：オイルレベルが高すぎると、ギアがオイルに接触し、摩擦抵抗が生じます。オイルレベルが低すぎる場合、システムは潤滑されません。
- オイルタイプが正しくない：ポンプにはSAE 30グレードのオイルを使用する必要があります。
2. 過剰な電力消費：
温度が上昇する原因となるすべての要因によって、過剰な電力が消費されることもあります。過剰な電力要件がポンプの温度上昇と一致しない場合、モーターに欠陥があります。
3. ポンプチャンバー内のオイル：
考えられる原因：
- オイルレベルが高すぎる：オイルに過剰な熱負荷がかかっている。オイル泡が掃き出されます。
- 製品に混合したオイル：オイルの脱ガス。
- ポンプの漏れ： オイルドレンまたはフィラースクリューから空気が侵入すると、大量の空気が流れ、ポンプチャンバー内にオイルが漏れます。
4. 異常な作動音：
考えられる原因：
- ローターの汚れや残留物
- ベアリングまたはギア類の損傷
- ローターがハウジングに接触している
ベアリングまたはギア類の損傷、またはローターがハウジングこすった場合、ポンプは必ずメーカーが修理する必要があります。
